院長の「こころのさけび」

ジョコビッチのニュース

'16年11月06日

テニス

僕が一番テニスに時間を費やしていた高校生の頃、圧倒的に強い世界ランキング1位の選手がいた。
イワン・レンドルである。
エドバーグやベッカー、ビランデルなどスター選手がきら星のようにいたあの時代に
世界ランキング1位を保ち続けていた。ものすごくタフな選手だったという印象がある。

それでもなぜか僕のまわりにはレンドルファンは一人もいなくて、チェコの負のイメージを背負ってる感があり
最強なのに人気無しという印象のまま。
楽しそうにプレーをしている雰囲気はなく、いつも辛そうで自分に怒りを感じていた。
実際はそうではないと思うのだが、印象はそのまま。
数年前にエキシビションで、丸々とふとったお腹でパット・キャッシュと対戦するのを観たが
キャッシュが必死にオチャラケるのと、まったく歯車がかみ合っていなかった。

時代は変わって今はジョコビッチ。
僕は個人的に大好きな選手なのだが、少なくとも僕のまわりにジョコビッチファンはいない。
フェデラーや錦織を絶賛する人はとても多いが、ジョコは勝って当たり前。
サイボーグ、プレーに面白みがない。もっと楽しんでプレーしろ。

いつかの、チェコ人と酷似している。
産まれ持ったヒールだ。対戦相手がスーパーショットを放って、思わずジョコがラケットを使って拍手した。
誰も紳士的とは思わない。鼻持ちならないと思う。

雨で試合が中断した時、観客を楽しませようとボールボーイと一緒にダンスし始めた。
苦し紛れでもいい。おまえは頑張ってる。僕は画面を見ながらそうつぶやいた。
でもその瞬間、横からモンフィスが入ってきてジョコより100倍くらいうまくダンスし始めた。苦笑いしてたよな。じょこ。

そんなジョコが今日、世界ランク1位から落ちた。
ニュース欄のすごーく端に、小さく乗っていた。

今からが僕はジョコビッチの本当の見所だと思う。
彼が自分の人生とか、大切なものとか、大きな犠牲を払って打ち込んできたテニスの女神が、
そっぽを向いたのだ。
ジョコ1位陥落のニュースを見て、僕も気がついた。
「私はレンドルと、ジョコのファンだ。」彼らは悲しいくらいに、優しい男達だと。

いま、ジョコビッチの試合が一番観たい。


 

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