院長の「こころのさけび」
ナチュラルヒストリーとは何か?
'15年05月22日
先日のわかくさ歯科院内勉強会の一コマです。
このテーマを簡単に説明すると、「歯を失うのはもちろんよくない。でも一番奥の歯があれば、加速度的に歯を失うことは避けられる」です。
スライドの背景は忍野八海、富士山湧水の水面をを撮したものです。
欠損歯列(歯を失った状態)があると、基本的には咀嚼能力が低下します。それをいかに回復するか?というテーマが歯科臨床にはつきまといます。
しっかり噛めるように!
もちろん、予防によって自分の歯を失わないほうがよいのです。
しかし、実際の臨床においてはカリエスフリー(虫歯のない)で欠損のない患者さんはごく少数派です。目の前の患者さんから目を背けることは出来ません。
そこで仮に、うまく噛めなかった患者さんを、インプラントで何でもよく噛める状態まで回復したとします。
たぶん、よく噛めるようになったら喜んで頂けることでしょう。
インプラントが、効果的にはたらく事はあります。
ただ、その方の年齢や噛む力、かみぐせ、食習慣、虫歯や歯周病のリスクを考えると
一生のなかで、その方の流れを見極めて緩やかにエイジングしてもらうこと、緩やかな下降線をたどってもらうこと、の重要さも考えます。
歯を失った部分に、インプラントがドーン!と入ることで、その方の緩やかな(自然な)エイジングを狂わせてしまう...可能性もあるのです。
自然なエイジング、緩やかな下降線を妨げないことが
重要なのだとわかってきました。
そしてそれが、患者さんの利益に本当になったのかどうか、真摯に経過観察をさせて行きたいと思います。
宜しくお願いします。
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